西日本でカニと言えば、タラバではなくズワイガニ!
昭和30 年代まで、都市部でカニと言えば、カニ缶だった。
ミソも美味しいズワイを都市部でも食べることができるようになるまでの物語。
都市部の人たちがカニを食べ始めたのは、そんなに古い話ではない。
昭和初期にはまだ、カレイの網にたまたまかかったカニを地元の人
は食し、残りは肥料として使われていた。
そんなカニが、価値を持ち始めるのは1960 年代。
かに道楽を立ち上げた今井芳雄が、冷蔵技術を開発し、都市部に送
ることができ、年中食べることができるようになってから。
そこからカニは都市の人に愛される、そして晴れ晴れしい食べ物に
なっていったのだ。
本書は、そんなカニ食の歴史と
カニを愛した人たちの記録です。
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商品詳細
著者:広尾 克子
サイズ:四六判
頁数:256P
発刊日:2019/10/25
ISBN:978-4-908443-45-9
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目次
はじめに
・序 ズワイガニとは?
第1章 カニを都市に持ち込んだ人
・ 道頓堀の「かに道楽」
・認知された「かに道楽」
第2章 カニツーリズム誕生とカニの流通
・ カニツーリズム現象
・ブランド化されるカニ
・都市に流通しないカニ
第3章 カニ産地を行く
・カニの名産地 越前(福井県)、丹後(京都府)、但馬(兵庫県)
・「かに王国」宣言 城崎温泉の選択
コラム カニの供養と伝承
第4章 ズワイガニの日本史
・江戸時代にようやく現われるズワイガニ
・明治以降のズワイガニ
・産地から出ないズワイガニ
コラム カニ食文化の周辺から
第5章 カニという道楽を守るために
・ズワイガニ漁獲量の推移
・輸入ズワイガニの流入
・ズワイガニの漁獲管理
・カニ漁は存続できるのか
おわりに