




ロシアに抗議しても、イスラエルには抗議しない。
『はだしのゲン』を小学校の平和学習教材から削除し、第五福竜丸がアメリカの核実験で被爆した記述も消えた。広島選出の岸田首相が議長を務めた広島開催のG7サミットで核抑止論を肯定した。
「平和都市」ヒロシマで何が起こっているのか、その転換点は2021年に成立した、広島市平和推進基本条例だった。
[著者]
平岡 敬 「発刊に寄せて『広島市の平和行政は前進するのか』」
宮崎 園子 「広島のアイデンティティ・クライシス」
田村 和之 「『平和都市』ヒロシマの自己否定 覚書広島市平和推進基本条例の制定過程」
金子 哲夫 「市政と憲法」
本田 博利 「広島で『平和』の条例をつくること」
向井 均 「『黒い雨』はどのように扱われたか」
橋本 和正 「戦争の実相」
渡部 久仁子 「このままではいや。―はじめてのロビー活動記―」
湯浅 正恵 「広島市平和推進基本条例と『ヒロシマの心』」
広島市の平和行政を支える法律は、広島市平和記念都市建設法がある。
この法律は、1949(昭和24)年5月に衆参両院でいずれも満場一致で議決され、続いて、憲法第95条による特別法のため、7月7日に賛否を問う住民投票が行われた。投票率は65%だったが、投票者の91%が賛成という圧倒的な支持を得て、8月6日に公布された。まさしく平和都市建設を熱望する広島市民の思いの表れであった。
ところが、2021年に広島市平和推進基本条例ができた。なぜ今ごろ、このような条例が必要となったのか。広島のジャーナリストと研究者が書き下ろす広島の立ち現在地。
[充実の資料編]
・広島の平和に関する条例の変遷
・広島市平和推進基本条例の制定にいたる過程、市民の反応など
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商品詳細
サイズ:四六判並製
頁数:250ページ
発刊日:2024/11
ISBN:978-4-908443-91-6
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目次
まえがき
発刊に寄せて
「広島市の平和行政は前進するのか」 平岡 敬
<本文編>
第1章 広島のアイデンティティ・クライシス 宮崎 園子
第2章 「平和都市」ヒロシマの自己否定 田村 和之
第3章 【覚書】広島市平和推進基本条例の制定過程 田村 和之
第4章 市政と憲法 金子 哲夫
第5章 広島で「平和」の条例をつくること 本田 博利
第6章 「黒い雨」はどのように扱われたか 向井 均
第7章 戦争の実相 橋本 和正
第8章 「このままではいや。-はじめてのロビー活動記-」 渡部 久仁子
第9章 広島市平和推進基本条例と「ヒロシマの心」 湯浅 正恵
あとがき
<資料編>
1 2021年6月29日に公布された広島市平和推進基本条例(2021年条例第50号)
2 条例案の変遷
3 広島市議会本会議における「提案趣旨説明」
4 広島市条例にみる「平和」の定義
5 広島市議会採決の「決議」「意見書」及び「請願」
6 広島弁護士会長声明
7 広島市議会に寄せられた市民・市民団体の意見(一部)
8 広島平和記念都市建設法(1949年8月6日 法律第219号)